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TJFS-208: 生型砂の揮発分試験方法

1. 適用範囲

生型砂の揮発分を測定する試験方法について定める。

2. 用語の意味

生型砂の揮発分とは、試料を蓋付きのるつぼに入れ、空気との接触を避けるようにして、900℃で7 分間加熱し、その際の質量減少を試料質量に対する百分率で表したものである。この揮発分には、石炭粉、でん粉等の有機物の還元性雰囲気下の熱分解による発生ガス分、およびTJFS-201(生型砂の水分試験方法)の乾燥条件では脱離しなかった水分が含まれる。

3. 試験装置および器具

3-1. はかり

感度0.001g の化学天秤を用いる。

3-2.  熱電温度計

895~905℃を計測できるものを用いる。

3-3. 加熱装置

次の条件を備えた電気炉を用いる。

  1. るつぼ挿入部を900℃に昇温したとき、るつぼの占める体積よりも十分広い均熱部(900℃±5℃に保ち得る部分)を有すること。
  2. 試料挿入後3 分以内に元の温度に回復し得ること。
3-4. 磁製るつぼ

容量約10ml、るつぼに適合する落し蓋付のものを用いる。一例を図1 に示す。新しいるつぼを初めて使用するときは、900℃において恒量となるまで空焼きする。また、揮発分測定後、るつぼに炭素が付着した場合は、空焼きする。


図1 磁製るつぼ

4. 試験方法

4-1. 試料

TJFS-201(生型砂の水分試験方法)により遊離水分を除去した試料から約10g 取り、これをめのう乳鉢により全量250μm 以下に粉砕し、測定に供する。粉砕中の吸湿のある場合は、粉砕後の試料を105±5℃で恒量まで乾燥後、測定に供する。

4-2. 操作
  1. 電気炉を昇温し、るつぼ挿入部の温度を900℃に調整する。
  2. 試料2g を質量既知のるつぼに計り取る。
  3. るつぼに蓋をして、るつぼの底を清潔な堅い平面上で軽く3~4 回たたき、試料層の厚さを均一にする。
  4. 電気炉の加熱室内均熱部にるつぼを挿入し、3分以内に900℃±20℃に温度が回復したことを確かめ、その後、この温度を保持する。
  5. るつぼ挿入後、420 秒間(7分間)加熱する。
  6. 加熱後、直ちにるつぼを取り出し、最初の3 分間は大気中で放冷し、次に、デシケータ内で20分間放冷し、直ちに質量を計る。
4-3. 揮発分の算出方法

次式により算出する。

ここに
V :揮発分(%)
W1:試料質量(g)
W2:加熱後の質量(g)

5. 表示

生型砂の揮発分は%で表示する。

6. 記録

試験結果は、小数点以下弟2 位まで算出する。ただし、同一の試料で2 回以上の試験を行い、偏差±5%以内のものの平均値とする。

  • 備考:この規格は、JIS M 8812(石炭類及びコークス類―工業分析法)の揮発分定量方法を変更したものである。