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TJFS-204: 生型砂の全粘土分試験方法

1. 適用範囲

生型砂の全粘土分を測定する試験方法について定める。

2. 用語の意味

生型砂の全粘土分とは、鉱物としての粘土だけを意味するものではなく、21~26℃の水の中を毎分25mm以下の速さで沈降するような粒子(粘土の場合、このような速さで沈降する粒子の直径は、ほぼ20μm以下である。)および水に可溶な物質の集合をいう。

3. 試験装置および器具

3-1. はかり

感度0.01gのものを用いる。

3-2. 回転式水洗機

図1または図2の容器をもち、その回転数は容器の軸方向に毎分62~72で、回転半径は74~75mmの装置を用いる。

図1 回転水洗機の容器(1)

図2 回転水洗機の容器(2)

3-3. 超音波分散機

周波数25~30kHZ、出力150~200Wのものを用いる。

3-4. 全粘土分の分離装置

次のいずれかを用いる。
図1、図2の容器または2000mlビーカのいずれかと、サイホンを図3のように組み合わせたものとする。
サイホンの内径は5~6mmとする。

図3 粘土分の分離装置

水流とうたびんは、図4の形状、寸法とする。
備考:金属製の装置を用いる時は耐食性に留意する。

図4 水流とうたびん

4. 試料

生型砂を105±5℃で恒量になるまで乾燥した後、デシケータ中に入れ、放冷したものを試料とする。
備考:1回の試験に要する生型砂は約100gで、恒量になるまでの乾燥時間は、一般に1~2時間である。

5. 試験方法

5-1. 全粘土分の水中への分散

分散法としては、次のいずれかによる。

回転式水洗機を用いる方法

試料50gを計り取り、これを回転式水洗機の容器に入れ、水475ml及び3%水酸化ナトリウム溶液25mlを加えた後、この容器を3.2の装置に取り付け、1時間回転しんとうさせる。次に、これに水を注ぎ、壁に付着した砂分を容器内に洗い込むと同時に、その全水量を約15cmの深さとする。

煮沸による方法

試料50gを計り取り、これを容量約400mlの蒸発皿に移し取り、これに水300ml及び3%水酸化ナトリウム溶液2.5mlまたは1.5%ピロリン酸ナトリウム溶液20mlを加えて30分間煮沸する。この間、蒸発によって105ml以下に減少しないように注意し、必要があれば水を加える。また、突沸しないように注意する。次に、煮沸した試料及び水酸化ナトリウムまたはピロリン酸ナトリウム溶液の全量をビーカに移し、その全水量を約15cmの深さとする。

超音波分散機を用いる方法

試料50gを計り取り、水300ml及び3%水酸化ナトリウム溶液2.5mlまたは1.5%ピロリン酸ナトリウム溶液20mlを加えて、超音波分散器に10~15分間かける。次に、分散させた試料及び水酸化ナトリウムまたはピロリン酸ナトリウム溶液の全量をビーカに移し、その全水量を約15cmの深さとする。

5-2. 全粘土分の分離

分離法としては、次のいずれかによる。

サイホンによる方法

5.1の操作終了のものをよくかき混ぜた後、10分間静置して、サイホンによって底面から25mmになるまで上層の水を排出する。再び水を深さ約15cmまで加え、よくかき混ぜて10分間静置し、サイホンによって底面から25mmになるまで上層の水を排出する。さらに、水を加えて深さ約15cmとし、第3回目以降は5分間静置後上層の水を排出する。この操作を排出水が澄むまで繰り返す。次に、残留した砂粒子を105±5℃で恒量になるまで乾燥し、デシケータ中で常温になるまで放冷後、その質量を計る。

水流とうたびんによる方法

5.1の操作終了のものを水流とうたびんに完全に移した後、1分間に約260mlの流速をもって粘土分を流出させ、放出水が済むまでこの操作を継続する。次に、残留した砂粒子をビーカに移し、105±5℃で恒量になるまで乾燥し、デシケータ中で常温になるまで放冷後、その質量を計る。

5-3. 全粘土分の算出方法

次式により算出する。

ここに

  • TC:圧生型砂の全粘土分(%)
  • W1:試料の質量(g)
  • W2:残りの砂の質量 (g)

備考:試料の質量は50gと定めてあるが、多少の増減は許される。

6. 表示

全粘土分は%で表示する。

7. 記録

試験結果は、小数点以下第1位まで算出する。ただし、同一の試料で2回以上の試験を行い、偏差±5%以内のものの平均値とする。

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