TOP溶湯品質管理機器 > アルミ溶湯を熱曲線にて測定する管理機器アルト・ワンALT-1



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紹介

ALT-Iは、アルミニウム鋳物の不良低減を図るため、高感度、高精度で、しかも鋳物工場で充分使用できる耐久性をもたせた測定機器と独特な設計によるカートリッジ(熱電対を組み込んだカップ型の測温部分)との組み合わせで、注湯前にアルミニウム合金の材料状態や処理効果の良否を予知することができる溶湯管理機器です。即ちALT-Iにより注湯前にアルミニウム合金の状態を判断し、迅速な対応処理が可能となり、操業の安定化、すぐれた品質鋳物の生産ができます。

ALT-Iは

1. アルミニウム合金の溶湯状態から冷却凝固状態までの冷却温度変化を曲線で表し、各ポイント数値が表示されます。これらの数値より材質管理ができるため、材料受け入れ検査機として非常に重要なポイントとなります。
2. アルミ合金の冷却曲線に表される冷却温度変化と時間により溶湯の純度の判定ができる。
3. 高精度に測定できるALT-Iは、アルミニウム合金の溶湯処理で材質改善の効果があるかを鋳造前に簡単迅速に予知することができる。
以上の事から種々の溶湯の対応処理が可能になり、砂型、金型、ダイキャスト等のプロセスによって製造される鋳造品の材質不良を低減し、すぐれた鋳物が生産できる。

ALT-Iの有効な利用方法

1. アルミ合金地金の材質管理とAl-Si系鋳物合金のSi含有量測定。
2. 鋳物用アルミニウム合金のコスト低減により、一次合金地金に二次合金地金や戻り材を加えたり、全てを二次合金地金を使用することが多くなってきた。従ってこれらの溶解されたアルミニウム合金の材質確認を行う手段として、ALT-Iでの熱分析を行う。

冷却曲線からアルミニウム合金の純度判定と改善

アルミニウム合金溶湯が大気中酸素との接触による酸化物の生成やスクラップが原因で不純物が混合する可能性があります。その様なアルミニウム鋳物を使用したスクラップに含まれる不純物が混合している鋳物の切削加工時にむしれや孔あき等の欠陥が切断面に現れたり機械的強度の低下が発生する。そのため注湯前にALT-Iにより描かれた冷却曲線で目的材質の純度(正常)確認を行うことができます。

溶湯処理管理(微細化処理)

溶湯処理した場合、処理後の経時変化は非常に大切であり、これは各種の添加剤とその割分、保持温度によって異なる為、この相関を十分に管理して下さい。処理効果を迅速に判定することは、非常に重要なことです。ALT-Iでは、共晶温度の変化により、処理効果の判定ができるという大きな特長を持っている。

微細化の処理例


ALT-I機器の取り扱いと資料の収集について

ALT-1測定器本体
1. ALT-Iは熱分析装置であり、電気の使用で多少の熱を発生し、又現場での過酷な使用条件にも耐えられるよう防塵BOXに入れたコンピューターと熱交換器からなっている。本体が安定した数値を出す為に使用30分前に電源を入れる様心掛けて下さい。
2. ALT-I本体の設置場所は、磁気・磁場の強い所は避けて下さい。
3. ALT-Iの本体からのアースは必ず取って下さい。
4. ALT-Iは毎年1回の温度検定を行って下さい。

補償導線(キャップタイヤケーブル:5m)
1. 採集資料から測定した起電力をALT-I本体に伝える為のケーブルで接触不良及びキャップタイヤに亀裂が入り湿気などによる絶縁不良に注意する事。
2. 補償導線は水にぬれたりすると、線間でリークして測定不良となりますので特に注意して下さい。

ホルダーとAL-CUP
1. ホルダーの先端プラグは常にAL-CUPを取り外した後、カップ接触端子を清掃する事。
2. 高精度の測定結果を得る為、ホルダー先端の端子を点検し、摩耗したプラックは取り替えて下さい。
3. AL-CUPの保管は湿気を避けた場所にして下さい。
4. 同じAL-CUPで何回もホルダーにセットする事は避けて下さい。接触不良の原因となります。

結 び

ALT-Iの導入はアルミニウム鋳造に大きな力となるでしょう。
会社の目的に応じ、あらかじめ材質、使用材料、操業条件等の同一条件のもとで基準をつくる必要がある。ALT-Iに基づく冷却曲線と各種特性を結び付けそれぞれの会社の管理基準とすることで、次回から操業時はこれらの管理基準に従って操準すれば、安定した操業と不良低減に大きく役立ち、健全な鋳造製品が得られ、ALT-Iによる効力が充分に発揮するでしょう。

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