鋳鉄鋳物の欠陥とその対策

近畿コークス販売株式会社・大阪ガス株式会社総合研究所／　溶解ノート

国際鋳物技術委員会で、鋳物欠陥の分類がなされている。これによれば、外観的分類として、①鋳張り、出っ張り、②巣、③割れ、④鋳肌不良、⑤湯回り不良、形状不完全、⑥寸法不良、形状不良、⑦介在物・材質不均一の７種類に分けられている。

これらの欠陥は、設計によるもの、使用材料によるもの（溶解材、砂など）、作業によるもの（溶解、調砂、造型、注湯、仕上げなど）、鋳造方案によるものなどであるが、同じ欠陥でもその成因は異なることが多い。

下表に、一般的に多く出現する鋳物欠陥とその特徴を示す。鋳物の材質によって、欠陥の形態もやや異なったものになるが、本質的にはまったく同じと考えてよい場合が多い。

INDEX<鋳物の欠陥>

普通鋳鉄鋳物

球状黒鉛鋳鉄鋳物

球状黒鉛鋳鉄鋳物　ドロス

原因

鋳物の上型表面に多く発生し、粗鬆（そしょう）、加工面に曇りなどをつくり、時には水圧不良の原因となる。

特徴

ドロスの原因は炭素を主としたもの。マグネシウムを主としたもの、両者の混合したものなどがあり、これらがそのまま浮上したもの（炭素）と酸化反応して浮上したもの（マグネシウム酸化物）とに分けられる。後者としては溶湯の酸化、いおうが多い。溶湯の型内への乱流および型内の水分過多も原因となる。

対策

　図６－(20)は１番湯口、２番湯口でドロスを防ぐ例である。