表面安定度試験器
NK-SSIT
表面安定度は、鋳物砂標準試験片を、5.5メッシュふるい上で1分間(生型以外の砂:例えば有機自硬性鋳型などでは14メッシュふるい上で2分間)振盪し、そのときの重量の変化を百分率で示した値をいいますが、この値は、鋳型の表面安定性によく対応しており、従って重要な管理項目の一つになっています。本器によって表面安定度の試験が、試験室や現場で簡単にできるようになりました。
表面安定度
本器は、鋳物砂の表面安定度を測定する試験器で、出来上がった鋳型に溶湯が流れ込んだ時に発生する不良
1.すくわれ、洗われ 2.脈状しぼられ 3.あれ肌 4.さし込み 5.砂かみ 6.ガス吹かれ、等
などの対策の為に、砂粒間の粘着度強弱を定量化したものであります。
生型の表面安定度は、標準試験片を粒度試験用ロータップ型ふるい機ないしは同じ振動条件のふるい機で1分間動転させ、ふるい面上に残った重量と当初の重量の比をパーセントで示す。
現在市販されている振動機は前後に40~50mm、左右に18~22mmの振幅をもち、毎分290~350回転するようになっている。ふるいは呼び寸法3360µm(6メッシュ)のものを用いる。下図に現用生型砂の表面安定度を示した。
日計表の表面安定度
表面安定度の強弱は澱粉添加量によって異なります。
なお、澱粉以外の表面安定度強弱への影響は粒度分布、水分、微粉、粒径が変化した場合。
NKフラワーの使用方法と効能
SSI(表面安定度合)の効能を維持する為の管理値設定
50Φ50H・TP(A)を表面安定度試験器(6Mesh)に1分間ふるった後の重量(B)を100分率で表示
この表面安定度の数値をExampleで(80~85,85~89又は90~93)のように管理値の上下限を1枠鋳物重量によって設定。この管理数値は、鋳物形状、重量、1枠重量等、変化する毎にテストを行い、管理数値を修正する。[NKフラワーの詳細]
Example
- 製品単重1kg未満の場合、表面安定度80%以上あればOKです(ただし、一枠の込め数…サンドメタル比に注意)。
- 製品単重1kg以上の製品については、その製品の単重と一枠の込め数によって表面安定度85%~90%必要となります。因みに、1~5の不良については、表面安定度のUPが必要であり、6の不良については、DOWNが必要です。この表面安定度をUPする為には、デンプンの種類(βデンプン⇒αデンプン⇒デキストリン)又は、添加量の増加を考慮する必要があります。
<生型砂に使用するデンプンの種類>
トウモロコシ(コーンスターチ) ・ 小麦粉(フラワー) ・ 米粉 ・ タピオカ等ありますが、大事な条件としては、使用している鋳物砂の粒形と粒度分布により、βデンプン・デキストリン等粘着性の強弱を考慮して選択することが必要です。
【注意事項】表面安定度(SSI)の管理方法を安易にする為には、使用する元砂の粒形はできうる限り丸に近いものが良い。又、粒度分布のピークも1ピークではなく、2~3ピークがベターである。尚、上記デンプンの種類による適正水分範囲(デンプンの膨潤度)を知ることも必要です。
生型砂の維持と改善(品質管理便覧)
一般的な管理項目
物性を調べる項目 | 組成を調べる項目 |
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生砂型のX-R管理図例
改善課題の摘出法
生型砂の改善課題は、造型工程における型おち、型崩れ、しみつきなどの造型不良や、型ばらし工程での生型砂のブロッキングそれに鋳造欠陥の発生状況などを調査してその中から摘出する。実際に改善に取り組む課題は、改善効果の大きさ、取り組みの難易度、必要なスタッフと経費さらに鋳造品の納期など諸事情を勘案して決める。下図に造型不良と鋳造欠陥の調査結果例をパレート図化して示した。
造型不良の調査結果例
仕様 [ 型式 : NK-SSIT1 ] 生型砂用
高さ | 650mm |
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床上面積 | 360 × 690mm |
重量 | 60Kg |
使用電源 | 100V 単相 |
振動回数 | 360回/分(60Hz) 300回/分(50Hz) |
固定方法 | オールアンカ方式 |
ふるい | 5.5メッシュふるい (生 型) |
対応品
仕様 [ 型式 : NK-SSIT2 ] 自硬性用
高さ | 650mm |
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床上面積 | 360 × 690mm |
重量 | 60Kg |
使用電源 | 100V 単相 |
振動回数 | 360回/分(60Hz) 300回/分(50Hz) |
固定方法 | オールアンカ方式 |
ふるい | 14メッシュ ふるい (自硬性) |