TOP生型砂の試験方法 > TJFS-205: 生型砂の活性粘土分試験方法

TJFS-205: 生型砂の活性粘土分試験方法

1. 適用範囲

生型砂の活性粘土分を測定する試験方法について定める。

2. 用語の意味

生型砂の活性粘土分とは、添加されたベントナイトのうち、粘結力を保持している粘土分をいう。

3. 試薬および器具

3-1. メチレンブルー溶液

メチレンブルー1)(C16H18N3S・Cl・nH2O のうち、n=3 のものの)3.74g相当量2)を、1000mlの純水に溶解したものを用いる。

  • 1) 日本薬局方または試薬特級を用いる。
    2) メチレンブルーは溶液調整ごとに水分定量を行わなければならない。メチレンブルー1gを秤量し、93±3℃で恒量になるまで乾燥する。次式より、溶液調整に採取すべきメチレンブルー量を求める。ただし、結晶水を3分子もつ場合の分子量は374 である。

3-2. 2%のピロリン酸ナトリウム溶液

ピロリン酸ナトリウム(Na4P2O7・10H2O)3)20g を、1000ml の純水に溶解したものを用いる。
3) 特級試薬を用いる。

3-3. はかり

感度0.01g のものを用いる。

3-4. 三角フラスコ

容量300ml のものを用いる

3-5. ろ紙

No5C、110mmφを用いるとハローの判定に便利である。

3-6. 超音波分散機

周波数25~30kHZ、出力150~200W のものを用いる。

4. 試料

生型砂を105±5℃で恒量になるまで乾燥した後、デシケータ中に入れ、放冷したものを試料とする。
備考:1 回の試験に要する生型砂は約10g で、恒量になるまでの乾燥時間は、約1時間である。

5. 試験方法

5-1. 活性粘土分の水中への分散

分散法としては、次のいずれかによる。

  1. 煮沸による方法
    試料5g を300ml三角フラスコに入れ、2%ピロリン酸ナトリウム溶液50mlを加え、冷却管4)をつけるか、あるいは時計皿で蓋をするなどして水の蒸発を防ぎながら、約10分間、静かに煮沸し5)、放冷する
    4)蒸発防止が目的であり、三角フラスコに摺り合わせ付きエアー冷却器をつけるなどすればよい。
    5)ごく弱く沸騰する程度に加熱を続ける。温度調節が可能なホットプレートが便利である。
  2. 超音波分散機を用いる方法
    試料5g を300ml 三角フラスコに入れ、2%ピロリン酸ナトリウム溶液50ml を加え、超音波分散機で約10 分間分散を行い、放冷する。
5-2. 操作

冷却後、メチレンブルー溶液を1ml ずつ加え、添加ごとに30 秒間かき混ぜる。かき混ぜた後、ガラス棒を用いてろ紙上に液の1 滴を置く。この操作を繰り返した後、濃いブルースポットの周囲に明るいブルーのハローが観察されたとき、溶液を2 分間攪拌し、もう一度スポットをつくる。もしハローが消失したならば、メチレンブルー溶液をさらに1ml 加え、2分間攪拌した後でも1.5~2mm 幅のハローが残存したならば、これを滴定の終点とする。

5.3 メチレンブルー吸着量の算出方法

次式により算出する。

  • 6)mmol(ミリモル)/100gは0.01N メチレンブルー当量(ml/g)と同義である。メチレンブルー吸着量を算出したのち、検量線7)によって、生型砂の活性粘土分を求める。
    7) 検量線は生型砂に添加しているベントナイトと同じロットのもので作成する。

6. 表示

活性粘土分の検量線によって、%で表示する。

7. 記録

試験結果は、有効数字2桁まで算出する。ただし、同一の試料で2回以上の試験を行い、偏差±5%以内のものの平均値とする。