熱分析によるCV黒煙鋳鉄の黒煙球場化率測定
CV黒鉛鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄並みの鋳造性、熱伝導及び減衰能と球状黒鉛鋳鉄に近い強度とを合わせもつことから、最近CV黒鉛鋳鉄の特徴を活かした一部の部品で実用化が始まっており、今後さらにCV黒鉛鋳鉄の適用拡大が図られていくものと考えられる。
ところで、CV黒鉛鋳鉄に関してはいろいろな意見があるが、著者らは種々の材質特性と創造性を勘案して、CV黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化率として日本鋳物協会黒鉛球状化率測定法により測定して30~60%と定義し、実用に供しており、CV黒鉛鋳鉄の優れた性質を確保するためには、黒鉛球状化率をその範囲内に管理する必要がある。ところが、的確にCV黒鉛鋳鉄の溶湯処理を行うには、球状黒鉛鋳鉄の場合よりも厳密な溶湯管理と溶湯性状に応じたCV黒鉛化処理が必要で、材質管理を徹底するには、溶湯処理ごとの材質判定が必要となる。
そこで今回、CV黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化率を鋳造前の溶湯段階において、マイコンを利用した熱分析により精度良く、迅速・簡便に自動測定できる方法を開発、実用化した。