TJFS-108: 生型砂の混練度試験方法
1. 適用範囲
生型砂の混練度を測定する試験方法について定める。
2. 用語の意味
混錬度とは、生型造型に使用されている現場砂と、それを十分に混練した状態と比較したもので、混練の程度を表すものである。混練度は生型砂の圧縮強さ(TJFS-102:生型砂の圧縮強さ試験方法)、コンパクタビリティ値(TJFS-107:生型砂のコンパクタビリティ試験方法)および水分量(TJFS-201:生型砂の水分試験方法)から求めた指数の比(パーセント)で表す。この試験方法は新砂による実験砂には適用しない。
3. 混練機
試験室用サンドミルなど小型のものが便利であるが、十分な混練が得られるものであれば良い。但し、アジテーター型ミキサーは砂温の上昇が著しいので、この試験方法に用いるには適さない。
4. 試験方法
4-1. 現場砂の測定
採取したままの現場砂の圧縮強さ、コンパクタビリティ値および水分量を、それぞれ TJFS-102:生型砂の圧縮強さ試験方法,TJFS-107:生型砂のコンパクタビリティ試験方法 , TJFS-201:生型砂の水分試験方法 に基づき測定する。
4-2. 十分に混練した試験砂の作製
使用する混練機の容量に適した量の試験砂を採取し、10分間以上混練する、この時、混練前後のコンパクタビリティ値の変動を±5%以内に抑える必要があるので、混練中の水分の蒸発を防ぎ、必要ならば適宜水を添加しながら混練を行う。また、水の最終添加時より5分間以上の混練が必要である。
4-3. 十分に混練した試験砂の測定
十分に混練した砂の圧縮強さ、コンパクタビリティ値および水分量を、それぞれ4.1の方法に基づき測定する。この時、コンパクタビリティ値が±5%以上変動している場合は再度混練を行い、コンパクタビリティ値の変動が±5%以内になるように調整する。この時も、水の最終添加時より5分間以上の混練が必要である。
4-4. 混練指数の算出
混練前後の試験砂の混練指数を、次式により算出する。
ここに
B.I.:混練指数
G.C.S.:生型砂の圧縮強さ(N/cm2)
C.B.:生型砂のコンパクタビリティ(%)
M:生型砂の水分量(%)
4-5. 混練度の算出方法
試験砂の混練度は、次式により算出する。
ここに
M.E. :混練度(%)
B.I.(A):現場砂の混練指数
B.I.(B):十分に混練した試験砂の混練指数
5. 表示
混練度は%で表示する。
6. 記録
試験結果は、小数点以下第1位まで算出する。
備考
- この試験方法は、旧 規格TIKS-108(生型砂の混練度試験方法)から大幅に改定しているので、以下に解説する。
- 旧標準では、混練機に試験室用サンドミル(5kg容量)に限定しているが、現在、このミルは鋳物工場では、ほとんど見かけられないので、限定を外した。
- 旧標準では、混練前後の試験砂の水分を一致させることを求めているが、事実上不可能に近い。そこで、コンパクタビリティ値を±5%に抑えることにした。
- 旧標準では、混練度の評価に、水分量の一致を前提に、生型圧縮強さのみを採用しているが、本試験方法では、ボンド・インデックスの考え方を採用し、混練前後のボンド・インデックスを比較して、混練度を求める方法を採用した。